その症状、インフルエンザ?コロナ?|症状や特徴の違いを解説【医師監修】
この記事の結論
- インフルエンザは38度以上の高熱と頭痛・関節痛・筋肉痛が急に出やすく、新型コロナはのどの痛みや咳から始まり倦怠感が長引きやすい
- 潜伏期間はインフルエンザが1〜3日、新型コロナが2〜3日(多くは7日以内)
- 症状だけでは区別できず、確定には抗原検査やPCR検査が必要。発症直後は陰性になることもある
- 抗インフルエンザ薬は発症から48時間以内、新型コロナの抗ウイルス薬は薬によって発症から3日または5日以内に開始する
- 息苦しい、意識がぼんやりする、水分がとれないなどの危険なサインがあれば早めに受診する
インフルエンザは38度以上の高熱と頭痛・関節痛・筋肉痛が急に出やすく、新型コロナはのどの痛みや咳から始まり倦怠感が長引きやすい傾向があります。ただし、どちらも発熱・咳・のどの痛み・鼻水などの症状が重なるため症状だけで区別するのは難しく、確定には抗原検査やPCR検査が必要です。
インフルエンザと新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の症状の違いを比較表で整理し、潜伏期間・感染力・検査・治療薬・自宅療養の期間・受診の目安を解説します。
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結論:インフルエンザ・新型コロナ・風邪の症状比較【一覧表】
インフルエンザと新型コロナはどちらもウイルスによる急性の呼吸器感染症で、発熱・咳・のどの痛みなどの症状が似ています。風邪(普通感冒)を含めた違いは表①のとおりです。
表① インフルエンザ・新型コロナ・風邪の症状比較
| 項目 | インフルエンザ | 新型コロナ(COVID-19) | 風邪(普通感冒) |
|---|---|---|---|
| 原因となる病原体 | インフルエンザウイルス(A型・B型) | 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2) | ライノウイルスなど |
| 潜伏期間 | 1〜3日 | 2〜3日(多くは7日以内) | 数日 |
| 発症 | 急激 | ゆるやか〜急 | ゆるやか |
| 発熱 | 38度以上の高熱が多い | 微熱〜高熱 | 微熱、またはなし |
| 全身症状 | 頭痛・関節痛・筋肉痛・強い倦怠感 | 倦怠感・頭痛 | 軽い |
| のどの痛み | ある | 強いことが多い | ある |
| 咳 | ある | 長引くことがある | 軽い |
| 鼻水・鼻づまり | ある | ある | 目立つ |
| 味覚障害・嗅覚障害 | 少ない | 起こることがある(オミクロン株以降は減少) | 少ない |
| 重症化・合併症 | 細菌性肺炎、インフルエンザ脳症(小児) | 肺炎、罹患後症状(後遺症) | まれ |
※症状には個人差があり、ワクチン接種歴や変異株によっても変わります。
症状の違い:発症のスピードと出やすい症状

インフルエンザは急激に発症し全身症状が強く、新型コロナはのどの痛み・咳などの上気道症状と倦怠感が目立つ傾向があります。
インフルエンザは急な38度以上の高熱と関節痛・筋肉痛
インフルエンザの特徴は急激な発症です。1〜3日の潜伏期間のあと、38度以上の発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、全身の倦怠感が急に現れ、のどの痛み・鼻水・咳などの上気道症状を伴います。
新型コロナはのどの痛み・咳・倦怠感が目立ち、微熱のことも
オミクロン株以降の新型コロナは、のどが強く痛む咽頭痛、鼻水・鼻づまり、咳、発熱、倦怠感が主な症状で、咽頭痛が初発症状になることがよくあります。微熱で経過する軽症例もあり、解熱後も咳が続き体がだるい状態が長引くことがあります。
味覚障害・嗅覚障害は新型コロナを疑う手がかり
鼻づまりを伴わない味覚障害・嗅覚障害は新型コロナに特徴的な症状です。オミクロン株以降は頻度が減少しており、味覚障害がなくても新型コロナの可能性はあります。
下痢・嘔吐などの消化器症状
新型コロナでは下痢などの消化器症状がみられ、小児ではオミクロン株流行後に嘔吐が増えたと報告されています。
風邪(普通感冒)との違い
風邪の原因の約9割はライノウイルスやコロナウイルスなどのウイルスで、鼻水・鼻づまり・くしゃみ・のどの痛みが中心です。発熱は微熱程度で全身症状は軽く、7〜10日程度で自然に軽快します。38度以上の高熱や強い倦怠感、関節痛がある場合は、インフルエンザや新型コロナを疑います。
熱は何日続く?発熱期間と回復の目安

インフルエンザは約1週間の経過で軽快するのが典型的で、適切な時期(発症から48時間以内)に抗インフルエンザ薬を使うと発熱期間は通常1〜2日短縮します。新型コロナの軽症例も多くは発症から1週間程度で軽快に向かいますが、咳・倦怠感・味覚障害などが長引くことがあり、2か月以上続く症状は罹患後症状(いわゆる後遺症)と呼ばれます。
高熱が続く、いったん解熱した後に再び発熱した場合は、肺炎などの合併症の可能性があるため受診してください。
潜伏期間と感染力の違い
表② インフルエンザと新型コロナの潜伏期間・感染力
| 項目 | インフルエンザ | 新型コロナ |
|---|---|---|
| 潜伏期間 | 1〜3日 | 2〜3日(多くは7日以内) |
| 人にうつす期間 | 発症前日〜発症後3〜7日 | 発症2日前〜発症後7〜10日(発症後5日間は特に高い) |
| 主な感染経路 | 飛沫感染・接触感染 | 飛沫感染・エアロゾル感染・接触感染 |
新型コロナは発症前から感染力があるため、無症状や軽症の段階でも家庭内や職場で広がりやすい感染症です。インフルエンザも発症前日からウイルスを排出します。
重症化しやすい人と合併症
高齢者、喘息やCOPDなどの呼吸器疾患、糖尿病、心疾患、腎臓病などの持病がある人、免疫が低下している人、妊娠中の人は、インフルエンザ・新型コロナともに重症化しやすいとされています。年齢では、2歳未満は新型コロナ、5歳未満はインフルエンザで重症化リスクが指摘されています。
インフルエンザでは高齢者の細菌性肺炎や、小児のインフルエンザ脳症(意識障害、けいれん、異常な言動・行動)に注意が必要です。新型コロナでは肺炎による呼吸不全や罹患後症状が問題になります。
検査で見分ける:検査方法と受けるタイミング

インフルエンザか新型コロナかの確定診断には、抗原検査やPCR検査が必要です。
抗原検査・PCR検査・同時検査の違い
抗原検査(抗原定性検査)は15分前後で結果がわかる迅速検査です。PCR検査はウイルスの遺伝子を検出する検査で、抗原検査より感度が高い一方、検査結果が出るまで時間がかかります。発熱外来では、インフルエンザA型・B型と新型コロナを1回の検査で判定する同時検査キットも使われています。
発症直後は陰性になることがある
ウイルス量が少ない発症直後は、感染していても抗原検査が陰性(偽陰性)になることがあります。陰性でも症状が続く場合は、翌日などに再検査するか医師に相談してください。
市販の抗原検査キットを使う場合
市販の抗原検査キットは国が承認した第1類医薬品などを選び、「研究用」は避けます。結果にかかわらず、症状がつらいときは受診してください。
治療の違い:抗インフルエンザ薬と新型コロナの抗ウイルス薬
表③ 抗インフルエンザ薬の種類と使い方
| 抗インフルエンザ薬 | 使い方 |
|---|---|
| タミフル(オセルタミビル) | 内服、1日2回・5日間 |
| ゾフルーザ(バロキサビル) | 内服、1回 |
| リレンザ(ザナミビル) | 吸入、1日2回・5日間 |
| イナビル(ラニナミビル) | 吸入、1回 |
インフルエンザの治療
抗インフルエンザ薬は、発症後できるだけ早く使用を開始します。発症から48時間以内に使用すると発熱期間が通常1〜2日短縮し、48時間を過ぎてから開始した場合の有効性は確認されていません。症状に合わせて解熱剤や去痰薬などの対症療法を組み合わせます。
新型コロナの治療
軽症の新型コロナは解熱剤・鎮咳薬・去痰薬などの対症療法が中心です。抗ウイルス薬はパキロビッド・ラゲブリオが重症化リスク因子のある患者に発症から5日以内、ゾコーバは重症化リスク因子の有無を問わず発症から3日以内に投与します。ラゲブリオとゾコーバは妊娠中は使えません。新型コロナ治療薬の公費支援は2024年3月末で終了しています。
解熱剤の選び方
解熱剤はアセトアミノフェンが適しています。15歳未満のインフルエンザではアスピリンを、小児ではジクロフェナク・メフェナム酸を原則使用しません(ライ症候群やインフルエンザ脳症との関連)。市販薬は薬剤師に相談してください。
自宅療養の過ごし方と休む期間の目安
自宅療養の基本
自宅療養中は経口補水液などで水分補給を行い、脱水を防ぎます。家庭内感染対策として療養する部屋を分け、マスク・換気・手洗いを徹底します。インフルエンザの小児・未成年は、異常行動に備えて発熱から少なくとも2日間は一人にしないでください。
出席停止期間と療養期間の目安
表④ 出席停止期間と外出を控える目安
| 区分 | インフルエンザ | 新型コロナ |
|---|---|---|
| 学校の出席停止期間(学校保健安全法) | 発症後5日を経過し、かつ解熱後2日(幼児は3日)を経過するまで | 発症後5日を経過し、かつ症状が軽快した後1日を経過するまで |
| 外出を控える目安(厚生労働省) | — | 発症後5日間かつ症状軽快後24時間程度 |
※発症日を0日目と数えます。
すぐ受診すべき危険なサイン

次の症状がある場合は、インフルエンザ・新型コロナのどちらであっても早めに医療機関を受診してください。
- 息苦しい、息切れがする
- 唇や顔色が紫色・青白い
- 胸の痛みが続く
- 水分がとれない
- 意識がぼんやりしている、呼び掛けに反応しない
- けいれんや異常な言動がある(小児)
- 高熱が続く、いったん解熱した後に再び悪化した
受診に迷うときは#7119(実施地域のみ)、小児は#8000に相談できます。
予防とワクチン(同時接種)
インフルエンザワクチンと新型コロナワクチンは同日に接種できます。どちらも65歳以上の高齢者などは定期接種の対象で、2歳以上19歳未満は経鼻インフルエンザワクチン(フルミスト)も選べます。手洗い、換気、咳エチケット、人混みでのマスク着用は、どちらの感染症の予防にも共通します。
よくある質問

Q. インフルエンザとコロナに同時にかかることはありますか?
A. 同時に感染することがあります。発熱外来では同時検査キットで両方を調べられます。
Q. 熱がなければインフルエンザやコロナではないですか?
A. 微熱のまま経過する軽症例もあります。咳・のどの痛み・倦怠感があり、周囲で流行している場合は検査を検討してください。
Q. 発熱してすぐに検査を受けても正しく判定できますか?
A. 発症直後はウイルス量が少なく、陰性(偽陰性)になることがあります。ただし抗インフルエンザ薬は早めの使用開始が大切なため、症状がつらいときは早めに受診し、陰性でも症状が続けば再検査を相談してください。
Q. オンライン診療でもインフルエンザやコロナの診察・処方は受けられますか?
A. 医師が症状・経過・検査キットの結果などを確認し、必要と判断した場合はタミフルなどの抗インフルエンザ薬が処方されます。新型コロナの治療薬は、検査キットで陽性を確認したうえでの処方です。息苦しさなど危険なサインがある場合は、対面の医療機関を受診してください。
まとめ:症状・検査・流行状況をあわせて判断を

インフルエンザは急な高熱と関節痛・筋肉痛、新型コロナはのどの痛み・咳・倦怠感の長引きが目立つ傾向がありますが、症状だけで区別するのは困難です。症状・流行状況・検査結果をあわせて判断し、重症化リスクのある人や危険なサインがある人は早めに受診してください。
高熱で通院がつらいときは、オンライン診療で医師の診察を受け、処方薬を自宅で受け取る方法もあります。SOKUYAKUなら当日予約・土日祝の受診に対応し、スマホ一つで予約から薬の受け取りまで完結します。
参考文献
- インフルエンザ|国立健康危機管理研究機構(JIHS)
https://id-info.jihs.go.jp/diseases/a/influenza/index.html - 令和8年度 急性呼吸器感染症(ARI)に関するQ&A|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/infulenza/QA2026.html - 令和8年度 急性呼吸器感染症(ARI)総合対策|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/index2026.html - 新型コロナウイルス感染症 診療の手引き 第9.0版|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/content/000936655.pdf - 新型コロナウイルス感染症 診療の手引き 第10.1版|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/content/001248424.pdf - 新型コロナウイルス感染症の5類感染症移行後の対応について|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/corona5rui.html - 令和6年4月以降の新型コロナウイルス感染症への対応|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/covid-19/00003.html - 罹患後症状のマネジメント 第3.1版|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001422904.pdf - 学校保健安全法施行規則|e-Gov法令検索
https://laws.e-gov.go.jp/law/333M50000080018 - 新型コロナウイルス・インフルエンザの抗原定性検査キット|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_27779.html - 抗微生物薬適正使用の手引き 第三版|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001169116.pdf - A-01 かぜ症候群|日本呼吸器学会
https://www.jrs.or.jp/citizen/disease/a/a-01.html - インフルエンザ脳炎・脳症と解熱剤について(報道発表)|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/houdou/0105/h0530-4.html - 医療用医薬品 情報検索(添付文書)|医薬品医療機器総合機構(PMDA)
https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuSearch/ - 救急車利用マニュアル|総務省消防庁
https://www.fdma.go.jp/publication/portal/items/portal002_japanese2511.pdf - 救急安心センター事業(#7119)|総務省消防庁
https://www.fdma.go.jp/mission/enrichment/appropriate/appropriate007.html - 子ども医療電話相談事業(#8000)|厚生労働省
https://kakarikata.mhlw.go.jp/kakaritsuke/8000.html
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